年々、驚くべき機能が増えている電化製品たち。帰宅時間に合わせタイマーで電源が入るエアコンや、留守中にみたい番組を録画してくれるレコーダー機器など、昔は考えられなかった快適さが当たり前になっています。その裏にあるのが待機時消費電力。電力の無駄遣いにもつながっている、待機時消費電力についてご紹介します。
目次
電源を切っても電力を消費している!待機時消費電力とは?
待機時消費電力って何?
テレビやエアコンなど、リモコンで電源はオフにしても、主電源をオフにしたり電源プラグを抜いたりする家庭は少ないでしょう。面倒という理由の他に、録画予約やタイマー予約をしているという理由があるはず。このように電源が入っていない間も時間を表示したり予約された時間にきちんと機能できるのは、プラグをさした待機時にも電力が消費されているからなのです。そして、この時に消費される電力を待機時消費電力と呼びます。
どういう状態で消費される?
具体的にどういう状態で、待機電力が消費されているのでしょうか。待機電力の消費要因は大きく分けて3種類あります。一つが、コンポやDVDレコーダーなどの家電についている内蔵時計、二つ目がリモコンからの指示待ち状態で出る消費、三つ目がコンセントをさしこんでいるだけで出る消費です。パソコンやFAX、空気清浄機などリモコン操作がないものでもメモリーや液晶表示で、電力を消費しているのです。
家庭で待機時消費電力が多い電化製品は?
数ある家電の中でも、特に待機時消費電力が多いものをご紹介します。待機時消費電力が最も大きいのがガス温水器。消し忘れていると、温度や時間を表示する電気パネルはお湯を出さない間にも電力を消費しています。次いで多いのが、テレビとエアコン、固定電話。リモコン操作のある家電、FAXや留守電機能付きの電話は便利な反面、待機時消費電力も大きいのです。家庭の消費電力における待機時消費電力は、平均で5.1%になります。
待機時消費電力は削減できる?
家庭の待機時消費電力はどれくらい?
最近ではメーカーの待機時消費電力を意識したものづくりにより、省エネモードやオートオフ機能付きの家電が増えています。注意したいのが旧型の家電。省エネルギーセンターの調査では、旧型家電の待機時消費電力は、年間で約10,000円。近年の待機時消費電力カットの家電発売も影響して、家庭の電力消費量における待機時消費電力の割合は、2006年の7.3%から2012年にかけ2.2%削減されています。
待機時消費電力は、対策によって削減できる?
省エネルギーセンターの2012年度における待機時消費電力調査報告書によると、以下の待機時消費電力の削減対策を行うことで、50%近く削減できるそうです。
・主電源はこまめにオフにする
・プラグを抜いても支障がない機器は、外出時や長時間使用しない場合コンセントから抜く
・消し忘れによる待機時消費電力を抑えるため、オートオフの機能を使う
・プラグを抜けない機器は、時計やデータなどの表示をオフにする
具体的にできる対策は?
ガス給湯器はこまめに切ることを意識する
家庭で最も多い待機電力を消費しているガス給湯器は、最新のものでも年間50kW、約1,100円の待機電力が必要。入浴時やキッチンにいる時以外は、意識的に電源を切ることで待機電力がカットできます。朝は家族によって準備する時間がバラバラで、ついだらだらとつけたままになりがちですが、「最後に家を出る人がガス給湯器の電源を切る」など決まりごとをつくり、家族で共有しておくと消し忘れを予防できるでしょう。
主電源はオフ、スイッチ付きタップで待機時消費電力を削減
家電を使い終わったら主電源スイッチをオフにすることで、待機時消費電力量が約33%も削減できます。さらに、使用しない間にプラグを抜いていても支障のない家電はコンセントから抜くことで、待機時消費電力の削減率は合計で49%にもなるのです。プラグを抜くのが面倒な人は、スイッチ付きのタップを活用しましょう。プラグやタップに家電名を書いたシールを貼っておくと、必要なものだけオフにする時、一目でわかるので便利ですよ。
待機時消費電力を抑えた家電に買い替える
家電の買い替えを検討する時には、価格やデザイン、便利な機能だけでなく待機時消費電力をカットできるかどうかも判断基準に入れましょう。7〜10年が寿命といわれている家電は、買い替えるだけで節電につながることがあります。10年以上使用している家電があれば、思い切って買い替えを検討してみてはいかがですか?特に、毎日使用するテレビやエアコンなどは、その寿命を考えて壊れる前に買い替え時期を判断しましょう。
まとめ
便利さや快適さがどんどんレベルアップしていく家電製品。一昔前なら考えられなかった生活が今では当たり前になっていますが、その反面、使わない間にも電力が消費されるという無駄遣いにつながっています。本当に今電源が入っていなければいけないのか、待機時消費電力を意識することから始めてはいかがですか?