福島県須賀川市でガソリンスタンドやLPガス、法人向けの電力販売などを行っている須賀川ガスですが、2016年4月からの電力小売自由化にともなって一般家庭向けの供給を開始しています。提供されるのは従量電灯BおよびCとなり、他社のような特別なプランはありません。しかし、従来の電力会社より比較的割安な料金となっています。
目次
須賀川ガスの電気はどんなプランがある?
基本的なシステムは従来の電力会社と同じ三段料金
須賀川ガスに変更しても、基本的な電気料金の計算システムは東北電力と変わりません。30A契約の場合、基本料金が972円、使用量として120kWhまでが1kWhあたり18円69銭、300kWhまでが23円83銭、400kWhまでが26円23銭、それ以上が26円38銭となります。もちろん1kWhあたりの電気料金は東北電力より安いので、純粋に電気料金が下がると考えて構いません。
須賀川ガスに変更すると電気料金はどれぐらい安くなる?
一般的な従量電灯Bの30A契約で比べた場合、東北電力では基本価格が972円、120kWhまでが18円24銭、300kWhまでが24円87銭、それ以上が28円75銭となります。須賀川ガスと比較しすると、基本料金では価格差は無いのですが、電気使用量による料金では全ての価格帯で須賀川ガスの方が安くなります。そのため、従来のプランから須賀川ガスへ変更するだけで一定の利益は得ることができます。
契約したアンペア数で1kWhあたりの料金が変わることに注意
東北電力では、アンペア数によって電気単価が変動することは無いのですが、須賀川ガスでは契約によって少しずつ単価が変わります。10Aから30Aでの契約の場合、400kWhを超えると1kWhあたり26円38銭、40A契約では26円48銭、50Aと60Aでは26円58銭となります。電力消費が多い場合は長期的に見ると大きな差となります。契約の際にはアンペア数についても注意した方がいいでしょう。
須賀川ガスの特徴とは?
地元密着型の地産地消な総合企業
須賀川ガスでは、自社の発電施設として須賀川市周辺に太陽光発電所を所有しており、最終的には100カ所の太陽光発電所を設置することを目的としています。地元で作られた電気をそのまま県内で使用する地産地消の考えで事業を進めているため、他県でソーラー発電所を建設するまでは福島県以外での供給は行われない可能性があります。
エコで安全な電力を供給する
販売する電力の殆どをソーラー発電で賄っているため、火力のように二酸化炭素を排出したり、原子力発電のように事故のリスクが殆どありません。福島県は東日本大震災によって放射能の被害を最も受けた地域ですので、安全で環境負荷の少ない電力会社への乗り換えがこの先増加する可能性があります。もしこのまま契約件数が増大すれば、さらなる規模の拡大によって電気料金の引き下げなどが行われるかもしれません。
須賀川ガスへの乗り換えで考えられることは?
中小企業にインフラを任せても大丈夫?
あくまで須賀川地域を主体とする小さな会社ですので、もしもの時に電力供給が滞る可能性を考える方もいらっしゃると思います。しかし、電力小売自由化については、もし契約した会社に何らかのトラブルがあった場合でも、他の電力会社から電力供給についてフォローが行われるため、どんな会社と契約していたとしても利用者は今までと全く同じように安心して電力を使うことができます。
中小企業ならではの利点も考えられる
地域密着企業が運営しているので、大手と違って家計に直結したキャンペーンが行われる可能性があります。例えば、ガスとのセット割引であったり、店舗での買い物が割引になるなど、地元に何らかの還元を行うかもしれません。現時点ではこのようなプランはまだありませんが、この先契約数が増加するにともなって追加される可能性もあるので、提供範囲内の方は注目しておきましょう。
まとめ
須賀川ガスの電気は、現時点では須賀川市近郊でのみ利用できます。料金やサービスの面でも、電気単価がやや安い以外既存事業者との違いはありません。しかし、これから先に予想される他サービスとの連携や、災害で被害を拡大しにくい太陽光発電が主体ということで契約数を伸ばす可能性があります。須賀川市周辺で電力会社の乗り換えを考えているなら、須賀川ガスとの契約を考えても良いでしょう。