近しい人が亡くなって、悲しみにくれている日々。そんな時、突然あなたに相続する財産があると分かったらどうでしょう?驚き、戸惑うのと同時に、相続した財産に課せられる相続税の支払いについて考える方も多いはずです。相続税とはどんなものなのかご紹介していきます。
目次
相続税とはどんなもの?
死亡したことによって、その人の財産を先の代から受け継いだ場合や遺言により財産が贈与された場合に課される税金です。死亡した人のことを「被相続人」、相続する人のことを「相続人」と呼び、相続税を支払うのは「相続人」となります。
なぜ相続税を支払うのだろう?
普通に生活していても、さまざまな場面で消費税、住民税、自動車税、酒税、所得税などたくさんの税金を支払っています。相続人となったことで支払うこととなる相続税、その課税の大きな理由として挙げられているのは、相続した財産は偶然の不労所得であるという点、また特定の人物に多くの財産が集中することをおさえるためという点です。
相続税がかかる場合
相続した財産が相続人の基礎控除額を超える場合に、その超えた部分について課税されます。相続税がかかるのは、相続、遺贈、贈与の大きく3つのケースです。
相続のケース
亡くなった人が、生前、自分が死亡したときに誰に財産をあげるのかを決めていなかったケースです。最も多いのがこのケースだといわれています。
遺贈のケース
亡くなった人が、生前に自分が死亡したときに誰に財産をあげるのか遺言で決めていたケースです。相続人は財産をもらえるということは知らずに、亡くなった人が一方的に財産を渡す形となります。遺言には自ら作成する自筆証書遺言、公証人が作成する公正証書遺言があり、遺言による遺贈も近年は増加の傾向です。
贈与のケース
贈与には死因贈与、生前贈与があります。死因贈与は、亡くなった人が生前自分が死亡したときに誰に財産をあげるのか決めており、相続人も財産をもらうという約束をしているケースです。生前贈与は、自分が死亡する前、つまり生きているうちに自らの意思で相続させたい人に財産を譲るケースとなります。贈与には相続税がかかる場合や、他の税金がかかる場合もあるので、心配な方は税理士などに相談するとよいでしょう。
相続税のかかる財産にはどんなものがあるのだろう
現金のみではなく預貯金や有価証券、宝石、土地、家屋建物、家財道具。場合によっては農地や死亡保険金や死亡退職金も含まれる可能性があり、貸付金、特許権、著作権、ゴルフの会員権など金銭に換算して見積もりができるものをいいます。
相続税を支払うことになったら
税務署に申告をしよう
財産を相続し、相続税を支払うことになった場合は、相続税の申告と納税をしなくてはなりません。申告と納税には共に期限が設けられており、被相続人が死亡したという事実を相続人が知った日の翌日から10か月以内となっています。申告書を作成し提出しますが、申告書の提出先は被相続人の住所地の所轄税務署となり、相続人の住所地の所轄税務署ではないので間違えないようにしましょう。
申告は自ら挑戦する?それとも専門家にお願いする?
国税庁のホームページより相続税申告書のフォーマットをダウンロードすることができます。添付しなくてはいけない書類や、申告書に記入する項目についての調査が必要です。自ら申告書を作成し申告する方もいますが、添付書類や調査する項目が多いこと、専門知識がないと分かりづらいこと、申告と納税までの期限が決まっていることから、専門知識のある税理士に申告を依頼する方が多くを占めています。
納税をしよう
申告をして納税額が分かったら納税しましょう。納税の期限も申告と同様です。税務署、金融機関や郵便局の窓口でも納税が可能です。税金は金銭によって一度に納めるというのが原則となっていますが、相続税に関しては特別に延納と物納の制度が設けられており、延納は何年かに分割して納税し、物納は相続した財産そのものを納める形となっています。延納、物納共に税務署に申請書などを提出して許可を取ることが必要です。
留意しておきましょう
相続税の申告期限を過ぎてしまったり、実際に受け取った財産の総額よりも少ない額で申告をすると本来の税金に加えて、加算税や延滞税が追加されることがあります。さらに、申告を期限内にしていても納税が期限を過ぎてしまうと、利息にあたる延滞税がかかってしまう場合があるので、気をつけましょう。
まとめ
相続人になり、相続税を支払うことになったら戸惑い混乱する方が多いでしょう。まずは、申告や納税には期限があるということを頭の片隅に置いて、税務署や必要であれば税理士に相談してみるとよいですね。