借金をするときに、利息を計算する方法を知らないまま借金をすると、想像以上に支払総額がかさんだ状態で過ごしてしまうこともあります。借金と利息の関係についてしっかり確認をし、きちんとした返済計画を練ることは借金をする上でとても重要であるといえます。利息の計算方法とそのポイントについてご紹介します。
目次
基本的な利息の計算方法とは?
利息額の基本的な計算式はこれ
基本的に利息は、銀行や消費者金融などの金融機関を問わず、「元金(円)×指定の金利(%)×借りていた日数(日)/365(日)=利息(円)」 にて計算できます。元金(がんきん)とは、借りたお金自体の総額を指します。金利は元金に対し、利息を何パーセント支払うかという値で、借金を申し込む時点で貸主が定め、借主が同意することが前提となります。
利息の具体的な計算例をみてみよう
では利息の計算を、具体例に当てはめてみましょう。年利10%で、10万円を30日借りたとします。計算式に当てはめると「100,000×0.1×30÷365=821.9」となり、821円が利息となります。30日で完済する場合は、100,822円を返済する必要があるということになります。なお、1円未満の額ができた場合は、基本的に切り捨てになります。
数か月に渡り返済が続くときの返済シミュレーションとは
仮に10万円を31日以降も借入したら?
借金をする場合、多くのケースでは一か月に1回の支払日(約定日)を設けて返済します。そのため、2か月以上に渡り支払いが続くことも珍しくありません。では2か月目以降の利息はどのように計算するのでしょうか。仮に10万円の借金を12カ月で返済していくことを想定してみましょう。「100,000×0.1×30÷365=821.9」と最初の1か月に関しては同じ計算方法ですが複数月にまたぐ時は利息が変わります。
利息に端数があるときは初回に加算する
初回返済額は8,791円、うち元金は7,958円、利息が833円、残高は92,042円となります。一見すると先ほどの821円よりも高く感じますが、利息に0.9円の端数がついています。計算額に端数が出た場合、初回にまとめることで利息の端数を計算します。 また2か月目は92,042円、その翌月は84,018円に対して再度計算する形になります。
上記の例で、毎月1万円支払いたい場合は?
利息については先ほどの計算方法と同じですので、833円になります。そして、この833円を1万円から引いた9,167円が元金充当額となります。そのため、翌月は残高90,833円から計算していく形になります。10か月めまでは1万円ずつの支払いを行い11か月目に残りの残金が1万円以下となります。ちなみに、11カ月めは4,853円となります。
利息は借入期間が短い方が安くなる
先の例の通り利息とは借入時にまとめて計算したものを返済期間で割るのではなく、30日を基準として常に再計算され、加算されていきます。このため、無理のない範囲で支払額を高めに設定して、なるべく早めに完納したほうが同じ金額を借りたとしても利息は安くなります。支払期間ではなく、支払い上限額を常に意識し、返済開始後も早期返納できる方法はないか、ということに意識を向けることが大切です。
返済が滞った場合の遅延損害金とは
利息のほかに請求される遅延損害金の計算方法とは
万が一返済が遅れてしまった場合に発生する遅延損害金は「遅延損害金=その時点での借入額(元金)×遅延損害金年率×A(日)÷365(日 )」が加算されます。この遅延損害金年率はあくまで年間の金利となりますので、遅延が解消されるまでの日数を日割で計算します。例えば、10万円借りたものの10日間支払いが遅れた場合、年率20%とすると547.9円の損害金が発生します。
利息や遅延損害金を定めるのは利息制限法
利息や遅延損害金を過剰に請求しないように「利息制限法」という法律があります。これには利息の適正な金額の設定方法についても定められています。借金をする時に必ずこれらの条件を明示することが定められているのにも関わらず、あまり詳細を確認しない人が多いようです。万が一遅延したときのことも含めて、借入時に利息や遅延損害金についてのシミュレーションを必ず行うようにしましょう。
まとめ
漠然と借金を返済していると、毎月の支払額が変わらないせいか、かなりの利息を支払っていることに気づきにくいという声をよく耳にします。しかし、単に支払いを重ねるのではなく、定期的にきちんと推移をチェックすることで節約につながると考えましょう。