住宅ローンの返済は長期間にわたるため、当初は毎月の返済額があまり負担となっていなくても、将来的に家計に大きな負担となってしまうかもしれません。そのような事態を防ぐために、早い段階から利息を減らし、返済の負担を少なくしていかなければいけません。
目次
返済方法でも負担は変わる
どんな返済方法があるの?
住宅ローンの返済方式には、元利均等返済と元金均等返済の二種類があります。元利均等返済は、毎月の返済額を一定額で行う方式で、元金均等返済は借入額を毎月決まった額返済し、それに利息分を追加で支払う方式です。それぞれにメリットとデメリットがあるため、詳しく見ていきましょう。
元利均等返済の利点とリスク
この方式では、毎月決まった額を返済していきます。そのため、初期の段階では元金の返済より利息を払う割合が高くなり、なかなか元金が減らないという問題があります。そのため、最終的な利息額は大きくなってしまいますが、返済額が毎月決まっているため、返済初期でも負担となりにくいという利点があります。
元金均等返済の利点とリスク
元金均等返済の場合、一定額の元金に利息を追加して毎月返済していく方式になります。毎月支払う元金は一定のため、利息の量で毎月の返済額が変動していきます。そのため、返済開始直後が最も返済額が大きく、完済が近づくにつれて毎月の返済額が少なくなるのです。元金が早く減らせるため、総合的な利息は小さくなりますが、最初に多く支払う必要があるため、ある程度資金に余裕が無ければ負担が大きいというリスクもあります。
繰り上げ返済で返済は本当に楽になるのか?
繰り上げ返済でどんなことができる?
返済を前倒しにすることで利息の発生を抑えるのが繰り上げ返済です。元金を早く減らせるので、最終的な利息を抑えられます。繰り上げ返済を行った場合、毎月の返済額を減らすか、返済期間を短くするかのどちらかを選択してローンの調整を行いますが、これにもそれぞれメリットとデメリットがあります。
毎月の返済額を減らすとどうなる?
毎月の支払い額を減らせば、それだけ将来的なリスクに対応しやすくなります。そのため、子供の進学や定年による収入の減少などが予測されている場合、この方式を利用すれば毎月の負担を減らすことができるのです。しかし、返済までにかかる期間は同じですので、もう一つの方式と比較して、発生する利息は大きくなります。
返済期間を短縮すると利息を減らすことができる
こちらの方式では、毎月の返済額に変わりはありません。そのため、短期的には家計への負担はそのままとなります。しかし、長期的な視点で見た場合、利息を計算する回数が減るため、総合的な利息を減らすことができます。定年に合わせて返済が終わるように調整したり、老後の貯蓄をより多くしたい時に利用すると良いでしょう。
どちらを選ぶと返済が楽になる?
どちらの方式を選んでも、トータルで見るとそれほどの差はありません。返済額を減らせば生活は楽になりますし、返済期間を短くすればそれだけ将来的な余裕が生まれます。繰り上げ返済を行う場合には、その時点での返済状況や家計の状況、数年後の状況などをよく考え、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。
住宅ローン減税を最大限に活用する
住宅ローン減税の仕組み
住宅ローン減税とは、住宅ローンを契約した年から10年にわたり、住宅ローンの元金の10%相当が税金から控除される制度です。そのため、ある程度元金が残っていた方がより控除を受けられますし、税金も多く支払っていた方が控除額が無駄になりません。
住宅ローン減税と繰り上げ返済を上手く利用しよう
トータルの利息も抑えつつ、できるだけ得をしたいなら、繰り上げ返済や減税を上手く利用しましょう。住宅ローン減税は10年間の期限があるため、それまでの間は繰り上げ返済を行わず、期限が過ぎてから一気に返済すると控除の効果と繰り上げ返済の効果を両方受けることができ、双方のメリットを最大限に得ることができます。
まとめ
収入の悪化や支出の増加でローンの返済額が家計の負担となってしまっても、すぐに改善するのは難しいため、ある程度前もって準備しおく必要があります。住宅ローン減税や繰り上げ返済、その他にも返済方法などをよく考え、いざというときに負担とならないよう計画を立てておくことが大切です。マイホーム購入のせいで将来の生活を苦しいものになってしまわないように、早めの対処を行いましょう。