家を建てたり、購入したりする時にお世話になる住宅ローン。しかし、一口に住宅ローンと言っても、金利の付き方や返済方法にはさまざまな違いがあり、自分の収入や家計と合った方法を選ばないと、利息が大きくなったり、生活に大きな負担となったりしてしまいます。そのようなことが無いように、住宅ローンの仕組みを知っておきましょう。
目次
住宅ローンってどんな仕組みでできているの?
基本は借りたお金に利息を付けて返済する
当たり前の話ではありますが、住宅ローンだからと言って他のローンと仕組みに違いがあるわけではありません。借りたお金には金利による利息がかかりますし、返済回数によって利息が増えるのも同じです。ただ、消費者金融などのカードローンと違い、額面が大きく、購入予定の住宅を担保として利用できるため、金利が小さくできるのが特徴です。
新築以外の購入でも住宅ローンは使える?
住居を購入する目的なら、中古住宅の購入でも住宅用の土地購入でも問題なく住宅ローンを利用できます。ただ、中古住宅を購入する場合、新築に比べて利用できる年数が比較的短くなってしまいますので、それを考慮して返済期間も短く設定されます。ただ、中古なら新築に比べて安く購入できるので、実際に一ヶ月ごとの返済額は新築時とさほど変わらないでしょう。
金利や返済方法の仕組みを知りたい
金利の違いを知って利息を抑えよう
住宅ローンの金利には色々な方式があり、変動金利型、固定金利期間選択型、固定金利型の三つが主な金利のタイプとなります。
変動金利ってどんな方式ですか?
変動金利型は一定期間ごとに金利を見直す方式で、見直し時期に金利が下がっていれば利息が減るという利点がありますが、逆の場合は利息が増えてしまいます。ただ、変動金利型ではもともとの金利が低めに設定される傾向があるため、短期間で完済できる方にとってはお得な返済方法となる可能性もあります。
固定金利型の利点は?
こちらは契約時に定めた金利をそのまま返済が終わるまで使い続ける方式です。景気の動向に金利が左右されず、残債を把握しやすいという利点がありますが、金利を途中で変更できないため、購入するタイミングを間違えてしまうと高い金利でずっと払い続けることになってしまいます。ただ、もしそのようなことになっても、住宅ローンの借り換えをすればある程度金利の変動の影響を抑えられます。
固定金利期間選択型の仕組み
この方式は、固定金利と変動金利の利点を合わせたようなものとなっています。契約時に定めた期間の間は固定金利になり、期間が過ぎたらまた金利を見直して固定金利とするか変動金利とするかを選択できるのです。金利の見直し時期がどんな景気になっているか予測できないので高くなってしまう可能性はありますが、他の二つと違って金利の見直しや借り換えを行いやすいという利点があります。
返済方法にも大きな違いがある
ローンの返済にも種類があり、元金均等返済と元利均等返済の二つが主流です。元金均等返済では、借入額を等倍し、利息をそれに上乗せします。元利均等返済では利息を含めた額を等倍する方式です。返済額は元利均等返済は毎月一定、元金均等返済は初期の返済額が高くなります。しかし、元金均等返済では元金の減りが早いため、返済金総額が少なくなるという利点があります。
住宅ローンの返済を楽にする方法はある?
繰り上げ返済を活用する
住宅ローンに限らず、ローンは毎年の元金にあわせて利息が計算されます。そのため、元金が多く残っていればその分利息も大きくなってしまいます。繰り上げ返済を行えば、元金を減らすことができるので、利息を少なくし、長い目で見た場合の総返済額を減らすことができるのです。ですから、元金が多く残っている初期の段階で繰り上げ返済を行うと、より支払い額を減らすことができます。
住宅ローンの借り換えにはどんな利点がある?
現在契約している住宅ローンを他の金融機関に切り替える借り換え、見た目には金利が安くなってお得に思えますが、逆に損をする場合もあるのです。見た目は金利が下がっていたとしても、借り換えにともなう手数料などが必要となるため、その部分を考慮する必要があるのです。目安として、借入額1,000万円あたり40万円程度かかってしまいますので、現状のローンと比較してどちらが得になるかよく考えてから行いましょう。
まとめ
住宅ローンを利用する場合、家計や収入、景気の動向によって何がお得か判断する必要があります。金利や返済方法、借り換えや繰り上げ返済など、上手く利用できれば支払い額を減らすこともできますし、逆に余計な支払いが増えてしまうかもしれません。不安に思ったら公的機関の相談会に参加したり、各銀行でローンの内容を比較してみると良いでしょう。