余裕がない時にかぎって起きる予定外の出費。こんなとき、お金を用意できないとピンチを招いてしまいます。ひとまず金融機関でお金を借りてどうにかするしかないのですが、借りる先をよく考えておかないと、余計な負担を抱え込むことになってしまいます。
目次
お金を借りるということのリスク
金利による返済額の増大に注意
借金には金利が設定されます。金利は利息制限法によって上限が定められていますが、10万円以下で年20%、10万円以上100万円以下で年18%、それ以上で年15%となっています。この金利を十分に理解していないと、いつまでたっても返済が終わらないという状況に陥ってしまいます。例えば年利15%の場合、100万円借りたとして、年間の利息は15万円となります。この場合、年間の返済額が15万円以上返さなければもともとの借金は減りません。
月々の返済額に隠されたカラクリ
カードローンの場合、毎月の最低返済額が定められており、その通りに支払えばきちんと返済が終わるようなイメージがあります。もちろんいつかは支払いが完了するのですが、返済が終わるのは数年先なんてこともあります。先ほどのように100万円を借りて15%の金利がかかっているような場合、毎月25,000円の最低返済額のみで返しきろうとすると、返済回数はなんと56回、利息は約40万円にも増大してしまうのです。
利息を減らすには元金の返済をすることが大切
基本的に借金にかかる利息は、元金の残高で計算されます。最初に100万円借りたとしても、返済するうちに90万円になれば利息は90万円を基準で計算されるのです。そのため、余計な利息の支払いを減らすためには、早い段階で元金を返していくことが重要となります。借金をした直後は生活が苦しいかもしれませんが、多少無理をしてもすぐに元金を減らしていくことが余計な支払いを防止することになります。
お金を借りるときは借りる先を選ぶことが大切
カードローンやクレジットカードのキャッシングは危険
一口に借金といっても、借りる相手によって金利は大きく変わります。カードローンやクレジットカードのキャッシング枠を利用する場合、大抵利息制限法の限度いっぱいの金利が設定されています。また、支払い方法も毎月定額の支払いだったり、決められた額を払っておけばOKという設定であることが多く、利息がどんどん膨らんでしまいがちです。
同じ借金をするなら銀行などのローンを活用しよう
多少審査の基準は厳しくなりますが、同じ借金なら大手銀行を利用した方が金利は低くなります。三井住友銀行を例とした場合、利用条件の無いフリーローンでは変動ではありますが、年利が5.975%、上限は300万円と、一般的なカードローンに比べて低い水準となっています。もちろん他に借入れがあったり、何らかの問題があると断られる可能性もありますが、普通に働いていて特に借金も無いのならば、大抵は審査を通過できるでしょう。
銀行でもカードローンには要注意
銀行できちんとしたローンを組めば金利を抑えられるのは確かなのですが、ここに一つ落とし穴があります。銀行でもカードローンでは金利はほぼ法律の上限が設定されているので注意が必要です。一応100万円以下でも100万円を借りた場合と同じ水準の金利となるため、一般的な消費者金融で借りるよりは少ない金利となりますが、フリーローンに比べると倍以上の金利となってしまいます。
どうしても困った時は公的機関に頼りましょう
生活できないなら生活保護を利用しよう
生活保護というと不正受給のイメージが強いのですが、本来は生活することもできない状況に陥った人を助けるための制度です。もし病気や怪我などの理由で生活に困窮した場合は申請してしまいましょう。自治体によっては生活保護をあまり出したくないという理由でいろいろと説得されるかもしれませんが、生活できないということ、そしてその理由をしっかり説明し、短期間でも助けて欲しいと伝えましょう。
失業でお金がないなら職業安定所へ
会社が倒産した場合や、リストラによって職を失った場合には失業保険がすぐに支給されます。最近はブラック企業についての対策も進んでおり、病気で働けなくなったにもかかわらず自己都合で退職という扱いになっていても、職安の面接と医師の診断書などによって仕事が原因で病気になったと判断されれば、会社都合と同様に失業保険がすぐに支給されることもあります。また、失業保険がもらえない状況でも、失業によって生活が困窮した場合にお金を低金利で貸してくれる制度もあります。
まとめ
お金がなくてピンチの時は、できる限り銀行などの金利が低いところから借りましょう。もしピンチの原因がどうしようもない病気や怪我、失業によるものなら公的機関に助けを求めてください。低金利で生活費を貸して貰える総合支援基金という制度や、生活保護などが利用できるかもしれません。