NISAとは、ある一定額までの投資について得られた利益にかかる税金を免除してくれるという制度です。対象となる口座を申請する必要がありますが、証券会社に申し込めば作成できるので始め方はそれほど難しいものではありません。しかし、いくら税金がかからないからといって、上手に使いこなせなければもったいないことになってしまいます。
目次
NISAを利用するための条件は?
取引額と取引期間の条件に注意しよう
NISA用の口座で行われた取引によって得られた利益は、例えそれが億単位の儲けとなったとしても税金の対象とはなりません。しかし、投資に使えるのは年間120万円までと決まっており、それを超えてしまうと超えた分の投資には税金がしっかりかかります。また、口座開設後5年を過ぎてしまうと、それ以降の取引で発生した利益には税金がかかるので注意が必要です。
まずは口座を開設しよう
NISAを実際にはじめる場合には、自分で選んだ証券会社にNISA口座を作りたいという申請を行うだけでOKです。あとの手続きは証券会社と税務署が協力して処理してくれるので、手間は殆どかかりません。ただ、前回NISA口座を作ってから4年たっていない場合や、他の証券口座に既にNISA口座を持っているような場合には却くだされるので注意しましょう。
NISAで得すること、損すること
NISAで得られる利益は?
基本的にNISA口座で行われた取引で得られる利益は全て非課税となります。もちろん対象となっている金融商品で得られた利益でなければいけませんが、ほとんどの商品は利用できます。また、確定申告についてもNISA口座での取引については不要となります。もし他に仕事をしていて、NISA口座で少額の取引を行っているような場合、取引によって利益が出ても確定申告を行う必要は無いのです。
NISAを利用することで発生する損失とは?
NISAという制度の落とし穴は、NISA口座で発生した損失を利用して他の口座の利益を相殺して税金を安くするといった手法は使えないという点です。通常の口座同士ならお互いの損益を相殺して税金の計算を行えますが、NISA口座が赤字の場合は、通常口座の黒字部分がそのまま税金の対象となってしまうため、より多くの税金がかかってしまうのです。また、繰越控除も行えないので、一度大きな損失となっても翌年以降の節税に利用できません。
NISAをはじめる際にはリスクを考えた運用を
いかに損失を減らし、利益を得るかが大切
NISAを利用した場合、利益さえ出るのなら何ら問題はありませんし、税金がかからない分、通常では利益がほとんど無いような場合でも十分な利益が得られる可能性もあります。しかし、逆に損失については他の取引内容と相殺したり、繰越などの処理が行えないため、余計に損となってしまいます。ですので、ハイリスクハイリターンの投資を行うのではなく、できる限り安定して利益の出せる金融商品を選ぶことが重要なのです。
投資方法について吟味しておこう
口座を開設する際に注意することはもう1つあります。証券会社ではそれぞれが独自の商品を提供しているため、会社によって同様のリスクで得られる利益に差があったり、購入できる株に制限がかかっていることがあります。例えば国内の株式は購入できても、海外の株式が購入できないこともあります。ですので、NISA口座を作る際には、自分の得意としている投資手段が使えるかどうか、利回りの良い商品があるかどうかをチェックしておくことが大切です。
NISAに向いている金融商品はどんなものがある?
基本的に損失が出ると他で吸収できないのがNISAですので、できる限り損をしにくいであろう投資がおすすめです。例えば毎年高額の配当金が出るような株を購入したり、安定して数%の利回りが得られるファンドに投資したりする方法です。配当金についてはもともと税金がかからない特別分配金ではなく、税金がかかる普通分配金のものを優先してNISA口座で投資しましょう。また、分配金については、NISA口座に振り込まれないと税金の対象となってしまうため、受け取り口座をきちんと設定しておく必要があります。
まとめ
NISA口座の始め方は証券会社に申請するだけなのでとても簡単なのですが、きちんとNISAの利点を得るためにはしっかりと投資のプランを考えておく必要があります。損失さえなければ通常より多くの利益を得られる制度ですので、口座開設前にしっかり調査し、十分な利益を得られるようにしておきましょう。