確定申告というのは年に1回3月時点でその年1年分の所得の金額を計算して所得税を納税するという手続きになっています。サラリーマンであれば確定申告は基本的に不要になりますが、個人事業主であれば非常に大きなイベントになります。この確定申告に関わってくる項目に生命保険料控除というものがあります。
目次
確定申告で申告できる控除とは?
確定申告では所得税を計算する際の基準となる所得の金額から差し引くことが認められている項目があります。このような項目を控除項目と呼んでいます。節税のことを考えるのであれば、このような控除項目を最大限利用することを考えていく必要があります。
確定申告で申告できる生命保険料控除とは?
確定申告においてよく知られている控除項目に生命保険料控除というものがあります。この生命保険料控除はその名の通り、支払った生命保険料を所得の金額から控除してくれるというものになります。この生命保険料控除は単純に保険料の金額を合算するのではなく、区分集計する必要があります。以下でその方法について説明していきます。
生命保険料控除で必要になる書類とは?
生命保険料控除を受けたいと思った場合には自分自身が支払った生命保険料を証明するための書類が必要になります。このような書類のことを「生命保険料控除証明書」と呼んでいます。この生命保険料控除証明書については10月頃に生命保険会社から送られてくる書類になります。サラリーマンの年末調整の時期に合わせて送付されるため、確定申告のかなり前に書類が送られる形になります。しっかりと無くさないように管理しておきましょう。
生命保険料控除証明書の注意点
保険会社で送られてくる生命保険料控除証明書についてですが、一点注意したいことがあります。それは生命保険料控除証明書については送付した時点で払い込んだ保険料と年度末までに払い込むと考えられる保険料の合計額が記載されているということです。保険料控除を申告する場合にはこの年度末までに払い込むと考えられる金額で申告を行うようにしましょう。
生命保険料控除には区分がある?
3つに分かれる生命保険料控除の区分
生命保険料控除についてですが、細かく見ていくと3つの区分に分かれることが分かります。それが一般の生命保険料控除、介護保険料控除、個人年金保険料控除の3つになります。これらのそれぞれの区分に加入している生命保険を区分した上で生命保険料の控除計算というものを行っていく形になります。では、それぞれの区分の内容について一つ一つ見ていきたいと思います。
一般生命保険料控除
まずは一般生命保険料控除についてです。一般生命保険料というのはいわゆる普通の生命保険になります。この一般生命保険料控除について一つ注意しておきたいのは、一般生命保険料控除においては計算の際に平成24年1月1日以降に加入した生命保険に関しては新契約、それ以前に加入した生命保険に関しては旧契約という形で区分を分ける必要があります。これは忘れやすいポイントになるので、しっかりと押さえておくようにしましょう。
介護保険料控除
次に介護保険料控除についてです。介護保険料控除というのは介護保険に関してかかっている保険料を集計して控除を申請するというものになります。この介護保険料控除に関しては一般の生命保険の保険料とは別建てで集計を行っていく形になります。また、加入している保険が、一般生命保険料控除、介護保険料控除、個人年金保険料控除のどれにあたるか分からない場合には「生命保険料控除証明書」をチェックすれば確認することができます。
個人年金保険料控除
最後が個人年金保険料控除についてです。老後に備えて個人的に年金を積み立てておくというのが個人年金になります。この個人年金の積み立てのために支払った年金保険料は個人年金保険料控除という形で保険料控除の対象にすることができます。この個人年金保険料控除に関しても一般生命保険料控除と同様に新契約と旧契約という区分に従って分類する必要があります。
生命保険料控除の計算
生命保険料控除の金額については上記の区分に従って計算を行っていくことになります。具体的には一般保険料控除については新契約で4万円、旧契約では5万円までの控除が認められることになります。また、介護保険料控除については最大で4万円まで、個人年金保険料控除については一般保険料控除と同様に新契約で4万円、旧契約で5万円までの控除となっています。これらの金額を合算した上で最高で12万円までを控除の金額として認めることになっています。
まとめ
上記では確定申告における生命保険料控除について述べてきました。確定申告においてはさまざまな所得から差し引くことのできる控除項目を設けていますが、生命保険料控除については最も身近な所得控除項目であるといっても差し支えないでしょう。したがって、この生命保険料控除に関しては多くの人が関わってくる項目になるので、しっかりと押さえておくようにしましょう。