いきなりですが、がん保険は必要なのでしょうか?「がん家系でないから」「医療保険に入っているから」「貯金で賄うから」という理由でがん保険に入っていない人は、要注意。また「若いころからがん保険に入っているから」と安心している40〜50代の方も危険です。最新のがん保険事情について、きちんと知ってから判断しましょう。
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「がん保険は、いらない」は本当!?
がん家系でなくても安心できない!がんになる確率は、1/2。
国立がん研究センターがん対策情報センターによると、生涯でガンと診断される確率は男性で63% 、女性で47%とのこと(2012年のデータ)。この確率を見ると「親戚にがん患者がいないから大丈夫」とは言えないことがわかります。遺伝的要素のあるがんもあるので家系は関係しますが、がん家系でないから入る必要がないという判断は少々楽観的すぎると言えるでしょう。
医療保険では対応しきれない!がん治療は、通院の時代へ。
がん保険が基本的にがんだけを保障するのに対し、医療保険は脳卒中や心臓疾患、事故による大けがなど幅広く保障してくれます。しかし、注意しなければいけないのが、医療保険=入院保険だということ。いまやがんは主に通院治療になっており、普通の生活をしながら10年、20年という長期にわたってがんと共存している方も多いのが現状です。医療保険では通院治療は対象外となってしまうので、がんの治療を医療保険で賄うのは難しいと言えるでしょう。
がんになってしまった!コツコツ貯めた貯金を手放せる?
がん保険に限らず、「保険はいらない」という理由のひとつに挙げられるのが「そのぶん貯金しておけばよい」ということです。しかし、本当にがんになった場合のことを具体的に想像してみてください。その貯金を心おきなく手放して治療に専念することができるでしょうか?「がんにならなければ旅行に行けたのに。子どもに残せたのに」と、惜しくならないでしょうか?貯金で賄うという選択肢は間違いではありませんが、そこまで考えて判断する必要がありそうです。
若いころに加入したがん保険で、本当に大丈夫!?
通院に対応していないがん保険が多い。
先述しましたが、がんは通院治療の時代になっています。手術して完治させるか、手術できずに数年以内に亡くなるかという二択ではなく「がんと共存しながら長生きする」という道を歩む人がどんどん増えているのです。しかし20年くらい前のがん保険は、入院しか保障していない保険が少なくありません。いまの時代のがん治療の保障としては、心もとないと言えるでしょう。
上皮内がんに対応していないがん保険が多い。
上皮内がん(上皮内新生物)とは、転移する心配がほとんどないステージ0のがんのことです。古いがん保険では、「上皮内がんの場合は保障対象外」という条件が付いていることが多いので早急に確認が必要です。早期発見で喜んでいたら保険適用外だった、というケースがあり得ます。
入りなおすと保険料が高くなるから、そのまま?
がん保険に限らず、若いころに加入した保険ほど保険料は安いものです。中高年の方が20代のときに加入した保険を解約して、新規で加入するのは勇気がいることでしょう。しかし、少なくない解約返戻金が戻ってくることもありますし、何より時代にそぐわない保険ではいざというときに意味がありません。大切なのは未来なので、思い切った決断も必要です。
ではどうすればいいの!?がん保険を選ぶポイントとは。
通院保障があること!
繰り返しますが、がん治療は通院治療の時代です。そのため、通院治療でも保険金が支払われるタイプのがん保険であることは最重要ポイント。また、これからは在宅医療の時代になることも予想されます。往診が通院治療の扱いとなるかどうかは各社で異なりますので、確認しておきましょう。
上皮内がん対応に対応していること!
最近では、上皮内がんでも悪性新生物と同じ保障をすることを謳っているがん保険が増えています。せっかくの早期発見なのに治療費で生活が苦しくなってしまった・・・ということがないよう、新規で加入するなら上皮内がんでも手厚い保障が受けられるがん保険がおすすめです。
保険料がずっと上がらないこと!
がんになる確率は1/2とはいっても、実際にがんにかかるのは高齢になってからというケースがほとんどです。しかし、一部のがん保険は年齢によって段階的に保険料が引き上げられていくことが多いので注意が必要。収入の減る定年後は保険料の負担も家系を圧迫しますので、保険料が上がらない保険を選ぶほうが安心です。
保険の請求手続きについて考えること!
最近では「保険適用外も含め、がん治療にかかった治療費を全額保障します」というタイプの保険も登場しています。もしがんになればできることはすべてやりたくなるでしょうから、この保障はとても魅力的ですね。しかし実費保障となると領収書なども細かく整理しなければならなくなり、保険金の請求手続きが煩雑になることが予想されます。自分の心身が弱ってしまったとき、それを代行してくれる人がいるかどうかは重要なポイントになります。
まとめ
がん保険の考え方、参考にしていただけましたでしょうか?冒頭の「がん保険は必要なのか」という問いに対する答えは、最終的には自分次第。YESでもNOでも、しっかり考えたうえでの結論であればそれが正解です。しっかり考えたら、自信を持って決断してくださいね。