生命保険に加入している人には、毎年、生命保険会社から「生命保険料控除証明書」というものが「年末調整」の前に郵送されてきますね。この「生命保険料控除証明書」とはどういうものなのなのでしょう?この「保険料控除」内容をちょっと知っておくと、もしかしたら節約できるかもしれません。すこし保険料控除についてみていきましょう。
目次
生命保険料控除とは?
生命保険料控除は、申請することで所得税を減らせる節約術の一つ
「生命保険料控除」は、所得控除の1つです。支払った生命保険料の金額により、所得税や住民税の金額が軽減されることになります。例えば、所得税の計算方法は基本的に「課税所得金額×所得税率-控除額」ですが、「生命保険料控除」金額は「課税所得金額」からマイナスして、所得税を減らすことができます。「生命保険料控除」は「一般生命保険料控除・介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類があり、保険に加入した時期によって控除金額の計算方法が変わってきます。
一般生命保険料控除・介護医療保険料控除の対象となる保険
本人や家族(配偶者、6親等以内の血族と3親等以内の姻族)を受取人とする生命保険(共済)の「生命保険料」を支払った場合には、「生命保険料控除」をうけることができます。年間の払込保険料(1/1〜12/31に払った保険料)が「保険料控除」金額計算の元になります。財形保険や保険期間が5年未満の貯蓄保険、また団体信用生命保険は対象外となりますのでご注意ください。
個人年金保険料控除の対象となる保険
個人年金保険料控除の対象は、次の条件を満たして「個人年金保険料税制適格特約」を付けた個人年金保険になります。
1.年金受取人が本人か配偶者。
2.受取人は被保険者と同一人。
3.保険料払込み期間が10年以上のもの。
4.年金の種類が確定年金や有期年金の場合、「年金受取開始が60歳以降で、かつ年金受取期間が10年以上。
変額個人年金保険などは、一般生命保険料控除の方の対象となります。年間の払込保険料が「保険料控除」金額計算の元になります。
生命保険料控除で得するには?
生命保険料控除の計算方法(所得税)
ここでは、年末調整や確定申告時に自分で計算する事になる所得税について計算方法をみてみましょう。生命保険料控除の計算は、まず生命保険料を新旧に分けてからの計算になります。新旧は契約日が平成24年12月31日以前か以後かで分かれます。その後、さらに一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険で分けてそれぞれの合計を出し、それから計算式に当てはめます。
生命保険料控除の計算方法(旧制度・所得税)
旧制度に当てはまる保険は、平成23年12月31日以前に契約された保険です。
(一般生命保険料控除・個人年金保険料控除)
年間払込金額が
25,000円以下の場合、全額控除金額
25,001円〜50,000円の場合、(払込保険料×1/2)+12,500円
50,001円〜100,000円の場合、 (払込保険料×1/4)+25,000円
100,001円〜の場合、一律50,000円
生命保険料控除の計算方法(新制度・所得税)
新制度に当てはまる保険は、平成24年1月1日以後に契約された保険です。
(一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除)
年間払込金額が
20,000円以下の場合、全額控除金額
20,000円〜40,000円の場合、(払込保険料×1/2)+10,000円
40,001円〜80,000円の場合、 (払込保険料×1/4)+20,000円
80,001円〜の場合、一律40,000円
生命保険料控除の限度額(新旧両制度)
「生命保険料控除」金額の計算式にご自分の保険料をあてはめると、生命保険料控除の金額がわかります。そして、新制度の控除額上限は一般保険料、介護保険料、個人年金保険料控除額上限はそれぞれ4万円、旧制度の場合は一般保険料、個人年金保険料控除額上限はそれぞれ5万円です。もし、高額の保険に加入していた場合などでも上限の金額以上はいくら保険料を払っていても控除額は一律で変わりません。生命保険料控除を活用して税金を安くしたい場合は、バランスよく保険に加入するのがよさそうです。
生命保険料控除の手続きはどうすればいい?
サラリーマンの場合は年末調整で控除申告
サラリーマンの方が生命保険料控除を受けるためには、勤務先の年末調整時に生命保険料控除額を「給与所得者の保険料控除等申告書」へ記入して提出(申告)する必要があります。提出する時には生命保険会社の発行する「生命保険料控除証明書」を添付します。
※給与天引きで保険料の支払いをしている場合は、「生命保険料控除証明書」の添付が不要になります。
自営業者は自分で確定申告
自営業の方の場合は、翌年2月16日から3月15日までの所得税の確定申告シーズンに生命保険料控除の記載をした確定申告をすることになります。税務署で通常の確定申告を行う事になりますが、申告する際には「生命保険料控除証明書」を添付する必要があります。
まとめ
生命保険料控除について、生命保険料の払い方で所得税がお得になる方法はいかがでしたか?控除対象となっている保険を申告していなかったなんてことはありませんか?また、生命保険については、加入方法を無理に変えることはできませんが、保険を見直したいと思っている時や迷っている時などに違う目線から保険について考えてみてもいいかもしれません。所得税や住民税が高いと思っている方はぜひチェックしてみてください。