親や親族が逝去して財産が贈与される場合、贈与税の支払いが必ず必要になるわけではありません。実は贈与税には非課税枠が存在しているので、それを上手く活用すれば、節税が可能になります。せっかく親が築いてくれた財産を受け取るのであれば、できるだけ節税して受け取りたいですよね。そこで今回は贈与税の節税のポイントを紹介します。
目次
贈与税はの非課税枠について考えるなら基礎控除がポイント
贈与税は基礎控除により1,100,000円が控除される
贈与税を非課税にしたいと考える場合は、基礎控除により1,100,000円が控除されることを理解しなければなりません。つまり一度に10,000,000円の財産を受け取れば、そこから1,100,000円は控除されますが、残りの8,900,000円に対しては贈与税がかかってしまうわけです。では1,100,000円以上の財産を相続する場合は必ず相続税を支払わなければならないのでしょうか。
贈与税を非課税にしたい場合は生前贈与が欠かせない
実は非課税にしたい場合は生前贈与が鍵となります。生前贈与を上手く活用すれば、贈与税を非課税にできる可能性があるのです。先ほど紹介したように、1年間の基礎控除額の上限は1,100,000円です。例えば贈与される財産の総額を5,000,000円としましょう。この場合、5年間に渡り毎年1,100,000円ずつ生前贈与すれば合計5,500,000円を非課税で受け取れますよね。つまり基礎控除される上限金額を毎年贈与としてもらい続ければ、年数分だけ非課税で財産を受け取れるのです。
贈与税を非課税にする対応は計画性があると判断されてはいけない
計画的に、計画性が無さそうに見える非課税対応をしよう
贈与税を非課税にする方法は、生前贈与を使えばいいわけですが、これは、明らかに計画性があるという取り組み方をしてはいけません。何故なら、税務署が確認した際に、明らかに計画的に財産を分割して贈与していたことが分かれば、最初から贈与する財産は決まっていたはずだと断定されかねないからです。もし本当はいくら贈与するか決めていなかったとしても、そう税務署に判断されてしまえばどうしようもありません。計画的に脱税したとなれば更なる課税で追徴されてしまう可能性があるので注意が必要です。
相続する遺産が莫大な場合は生命保険の活用も検討しよう
どれだけ基礎控除や生前贈与を駆使しても、相続する遺産が莫大であれば、非課税にすることは難しいかもしれません。そういった場合は、生命保険を活用することも検討しましょう。厳密には、遺産相続ではなくなってしまうのですが、被保険者を親として、受け取り人を子としましょう。そうすると、既に遺産相続ではなくなっているかもしれませんが、保険金という形で財産は引き継げますよね。ただこの方法の注意点は、親の死期が判ってからだと難しい可能性が高いということです。
贈与税を上手に節税するコツは税器を支払う姿勢を保つこと
毎年の生前贈与額は1,100,000円以上を目処にしよう
贈与税を非課税枠で節税する際の注意点は、計画性があるように見せないことです。そして明らかに節税したがっている、節税を画策している、と感じる痕跡を残すことに対しても気を付けなければいけません。例えば毎年、基礎控除額の上限ギリギリを生前贈与していたとしましょう。そうなると明らかに非課税枠内で抑えようとしている姿勢が分かるので、鋭い税務署の担当者から目をつけられるリスクが高くなるのです。だから生前贈与する際は、年額を1,200,000円程度にするなどの工夫が必要です。
贈与税の節税は税務署職員の気持ちになって取り組もう
毎年の生前贈与額が少しでも、基礎控除より高ければ、少額かもしれませんが毎年税金を納めることになりますよね。実はこの少額でも納めている、ということがかなりポイントなのです。これは税務署職員の気持ちになれば分かることですが、明らかに納税額を0にしようとしている人物と、少額でも毎年しっかりと生前贈与されたお金の税金を支払う人物がいたとして、どちらに眼をつけるでしょうか。明らかに前者ですよね。つまり贈与税を少額でもしっかりと払うことで、まっとうに節税ができる可能性が高いのです。
まとめ
ここまで、贈与税の非課税枠を上手に使って節税するポイントについて紹介しましたが、いかがでしたか。贈与税はゼロにしようとすれば、それが逆にリスクとなる可能性があるのです。しかし贈与税を納める姿勢を崩さなければ、税務署から目をつけられるリスクは下がる可能性が高いのです。贈与税を上手に節税する為には、税務署の職員側の気持ちになることを忘れてはいけません。