2016年に開始した電力自由化。月々の電気代がお得になったり、スマホとセットで安くなったり、電気代支払いに応じてポイントが付いたりと、ありがたい制度ですよね。しかし、個人で電力自由化ができないのがマンション高圧一括受電契約です。今回は、マンション高圧一括受電契約について詳しくご紹介します。
目次
高圧一括受電契約について詳しく知りたい!
そもそも電力自由化って?
電力自由化とは、電気使用量が50kW以下の一般家庭やお店などが、電気の購入先を自由に選べるという新しい取り組みです。今までは、関西なら関西電力、中国地方なら中国電力といったように、地域の電力会社から電気を購入し、配電してもらっていましたが、これからは他の会社から購入することができます。ガス会社が提供する電気を買えば、ガス代がお得になったり、通信会社から購入すれば、スマホ代がお得になったりするのです。
マンション高圧一括受電契約ってどんなもの?
マンション高圧一括受電契約とは、マンション全体が一括して電気を購入し、その電気を各家庭や共用部分に配分するという契約です。2005年から始まっているシステムで、株式会社富士経済の調査では、高圧一括受電契約数は年々増加しています。マンション高圧一括受電契約ができるマンションは、マンション全体の電気使用量が50kW以上に限られているので、大規模なマンションが該当することになるでしょう。
高圧一括受電契約と低圧契約の違い
低圧契約とは、個人が電力会社や電力供給会社と行う契約のことです。電力自由化によって、電力会社を変更することが可能なので、電気の使い方に応じて最適の会社を選べます。高圧一括受電契約をしていないマンションは、たとえマンションオーナー指定の電力会社があったとしても、自由に変更することができます。
マンション高圧一括受電契約のメリット
住民もマンションオーナーも嬉しい!安い電気代
マンション高圧一括受電契約をすると、個人個人で受電契約をするより、電気そのものの料金は3〜4割ほど安くなるようです。高圧電気を電力会社から一括で一括受電サービス事業社が購入し、それをマンションの個人や共用部分に低圧に変圧して供給してくれるため、送配電線使用料などのコストが低く抑えられ、結果、電気料金が安くなります。家庭での電気料金で見れば、5〜10%ほど安くなるようです。
スマートメーターに切り替えOK
スマートメーターとは、自分の電気使用状況が自分の目で確かめられる電力量計です。電気の使用量を30分ごとに計測してくれるため、いつの電気使用量が多いのかがわかり、省エネにつながるといわれています。今まで電気の検針は月に1回で、検針の立ち合いをお願いされることもありましたが、スマートメーターにすると、遠隔での自動検針が可能なので、立ち合いのわずらわしさからも解放されます。
高圧一括受電契約のデメリット
マンション住民は電力会社を自由に選べない
既に一括受電契約をしているマンションに住んでいる人は、すでにマンションが電力供給会社と契約をしてしまっているため、家庭ごとに電力供給会社を選ぶことができません。個人で使いたい電力供給会社がある人は、引っ越しの際にマンションの電気事情について聞いておく必要がありますね。
マンション高圧一括受電契約の契約期間
マンション高圧一括受電契約の契約期間は10〜15年のものが多く、契約満了まで電力供給会社の変更はできないことになっています。もし、どうしても変更したい場合は違約金が発生するので、注意が必要です。高圧一括受電契約をしたものの、「こんなはずではなかった!」ということにならないように、高圧一括受電契約のぜひや、電力供給会社の選択は慎重にしたほうがよいでしょう。
マンション住民とオーナーの合意で決定される
すでに住民が住んでいるマンションの電気を高圧一括受電契約したい場合、マンション住民全員と管理組合で話し合いの場を設け、全住民の同意を得ることが必要です。マンションの管理をしているオーナーにとって、高圧一括受電契約は共用部の電気料金を20〜40%ほど下げることにつながります。しかし、マンション住民にとってはスマホやガスとセットにして割引したほうがお得な家庭もいるため、全員の合意は難航しそうです。
まとめ
マンション高圧一括受電契約にはメリットもデメリットもあります。大規模なマンションへ引っ越すときは、引っ越し前に電気事情について聞いておく必要があるでしょう。マンション高圧一括受電契約をするときは、契約期間が長いので慎重に議論することをおすすめします。