電力自由化に伴い、さまざまな業種の企業が電気事業に進出してきました。各社とも既存のサービスとの組み合わせによる割引やクリーンエネルギーでのアピールなどを行っています。今回はガス事業から新規参入してきたエネワンをピックアップし、企業の特徴とプラン内容をまとめました。電気料金見直しの参考にしてみてください。
目次
エネワンとはどのような事業者か
ガスワンで有名な株式会社サイサンが運営
エネワンは株式会社サイサンが運営している電気事業会社です。サイサンは1945年に創業というかなり昔からの歴史と実績がある企業であり、ガスを中心とするエネルギー供給会社として発展してきました。主な進出エリアは東日本であり、「ガスワン」というグループ体制を組んでいます。LPガスや一般高圧ガスに加え、医療分野の麻酔などに用いられる医療高圧ガスなどを取り扱っています。
ガス以外の分野にも進出する多角化経営
サイサンはガス事業の他にもさまざまな事業を営んでいて、多角化経営を進めています。「ウォーターワン」の事業では、ミネラルウォーターの宅配事業を行っています。富士・阿蘇・沖縄など複数の採水地からミネラルウォーターを採取して家庭に届ける事業です。その他にもリフォームを行う「リフォームワン」、国産のパプリカを栽培・販売する「ベジ・ワン」など、幅広い分野に進出しています。
電力自由化で新規参入
2016年の電力自由化に伴い、株式会社サイサンも小売電気事業者として新規参入を果たしました。これまでの「ガスワン」に加え新たに「エネワン」という事業ブランドを立てました。ガスも電気も供給できる総合エネルギー会社を目指す意図が込められたネーミングです。女優の泉ピン子さんが出演するエネワンのCMで、「ワン子社長」に変身するというインパクトのある内容をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
エネワンの電気料金プランとは
一般家庭向けのエネワンBプラン
一般家庭向けのBプランの基本料金は以下のとおりです。(東京電力エリア)
・30A:810円(1契約)
・40A:1,080円(1契約)
・50A:1,350円(1契約)
・60A:1,620円(1契約)
電気量料金は、3段階に分かれています。
・120kWhまで:1kWhあたり19.52円
・121〜300kWhまで:1kWhあたり26.00円
・301kWh以上:1kWhあたり26.42円
エネワンBプランの特徴
東京電力と比較すると、基本料金は若干ではありますがエネワンのほうが安く設定されています。電気量料金では、第1・第2段階まではエネワンのほうが高く設定されています。逆に、第3段階ではエネワンのほうがかなり安いので、毎月300kWhを超える電力を使用する家庭では、東京電力よりもお得になります。逆にそこまで電力を利用しない家庭では、エネワンに変更してもそれほど電気料金の変化は期待できないでしょう。
エネワンを選ぶべき人と注意点
ガスワンを利用している人にオススメ
すでにガスワンを利用していてLPガスなどを供給してもらっている人は、電気も同じ事業者にすることで、さまざまなメリットを享受できるでしょう。ガスワングループは地域密着型のサービス提供を行っているので、電気もエネワンにすることでエネルギーに関するさまざまなことを相談しやすい環境になることが期待できます。
毎月300kWh以上の電気量を使う家庭にオススメ
一般家庭向けのエネワンBプランを見ると、300kWhを超えてからの電気量料金がお得になる仕組みになっています。毎月この程度の電気量を利用する家庭であれば、電気料金の節約が期待できるでしょう。
セット割引はない
他の小売電気事業者は、他サービスとのセット割引を提供しているところが多いですが、ガスワンなど関連サービスとのセット割引は今のところはありません。他によく利用しているサービス事業者が、電気事業でのセット割引を提供している場合は、そちらの利用も検討するべきでしょう。
まとめ
エネワンを経営する株式会社サイサンと、エネワンの料金プランについて解説しました。家庭向けのエネワンBプランは月間で300kWh以上利用する家庭であれば、東京電力よりも電気料金が安くなるのでオススメです。さまざまな事業者がこの電気産業に参戦しているので、自分の環境にあったプランを見極めることがとても重要なポイントになります。