電力小売自由化に伴い、色々な企業が電力を販売するようになりました。電気料金についても、各社さまざまなプランを発表していますが、その中でも特に注目を集めているのが四国電力の定額プランです。
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一定額まで定額料金となる珍しいプラン
四国電力では、東京エリア、関西エリアの双方に電力を販売しています。他の電力会社では、電気料金は使用量に合わせて1kWhでの単価が変わる従量制であったり、どれだけ電気を使っても1kWhあたりの単価が変わらないプランを提供している場合が多いのですが、四国電力ではある一定の利用料までは電力使用量に関係なく定額とする珍しいプランを提供しています。
プランの種類は3つ
提供されているプランは、定額の上限が違うものが3つ。200kWhまで利用できる「ブループラン」、300kWhまで使用できる「オリーブプラン」、500kWhまでの「オレンジプラン」となっています。どのプランも、上限となる利用料まではいくら使っても定額料金となりますが、上限を超えた分は追加で計算されて請求されます。
商店、小規模法人向けの定額プランも
一般向けのプランの他に、商店などにオススメのプランも用意されています。こちらは他のプランのように定額制というわけでは無く、基本料金+利用量という料金計算となっています。基本料金は1kWあたり360円、電力量料金は1kWhあたり26.5円となっており、使用する電力量が多い店舗なら十分な費用節約効果が期待できるでしょう。
定額料金のメリットとデメリット
電気料金の変動が大きい場合のメリットは少ない
定額という珍しい料金設定となっているため、現在の電力契約と比べてメリットがあるかどうかを調べるには年間の利用量と比較しなければいけません。電気料金は季節によって大きく変動し、冷房の利用が多くなる夏場や、暖房器具を使用する冬期などは春秋などに比べて高くなる傾向があります。そのため、この年間での変動幅が大きければ大きいほど定額で損をする可能性が出てきてしまいます。
定額の範囲内で利用できるなら利点は多い
基本的にいくら使っても上限に達していなければ同じ金額となりますので、例えば500kWhのオレンジプランを契約しているにもかかわらず、電力使用量が300kWhを割り込むなら料金は割高となってしまいます。幸い、四国電力ではこれらのプランに契約期間を定めていないため、季節に合わせてプランを変更することでこのような損失を抑えることが可能です。
四国電力と契約する場合の大手電力会社との価格
1kWhあたりの価格を比較する
契約するプランによりますが、上限に近い範囲で利用するなら料金は四国電力の方が安くなります。東京エリアの場合、500kWhまで利用できるオレンジプランが基本料金込みで13,000円、東京電力の30A契約では842.40円の基本料金がかかりますので、差し引きで1kWhあたりの単価を計算すると、約24.31円、それ以降は27.50円となります。
使用量によって電気料金の差は大きくなる
東京電力の従量電灯B契約では、120kWhまでが1kWhあたり19.52円。120kWhから300kWhまでが26.0円、それ以降は30.02円となります。700kWhまで東京電力で利用したとすると、21,447円、これが四国電力なら18,500円となります。燃料調整費を含めるともう少し差は縮まりますが、概ね四国電力の方が安くなると言えます。
関東と関西で一部プランの料金が変わることに注意
東京エリアでは上記の価格となりますが、関西圏では少々料金が上がるので注意が必要です。関西の場合、ブルー及びオリーブプランは同額、オレンジプランは500円価格が上がります。また、上限を超えた場合の単価も、ブルー及びオリーブプランが30.30円、オレンジプランが29.50円となります。東京電力よりは高めとなりますが、関西地区でのライバルとなる関西電力と比較してみると、四国電力の方が割安となります。
まとめ
四国電力の定額契約プランは、上手く利用することで電気料金を安くすることが出来ます。ただ、年間を通して同じプランを利用すると、他社と比べて割高となる可能性もあります。プランの切り替えを上手く行うことで、年間一万円近く削減することが可能になるため、費用面だけを見ればトップクラスの安さとも言えます。切り替えを考える場合には、毎月の電気使用量に合わせ、こまめにプランを変更しましょう。