老後にどれくらい貯蓄があれば安心していられるのでしょう?その答えは人によって違います。公的年金の掛け金の納付状況とか、フルタイマーとしてどこかの企業・役所に勤務している人は老齢厚生年金も受給できます。老後の公的年金をより多く受け取れますね。節約も大事です。生活レベルを落とせないで老後に入ってしまう人もいます。
目次
老後にどれくらい貯蓄が必要なのか?
本当に1億円も必要なのですか?
毎年、年末になるとマネー誌や投資雑誌に「老後までに1億円貯める」という特集記事が載っていますし、保険会社や金融機関などは「老後には夫婦で1億円必要ですから、公的年金の不足分を〇〇で増やしましょう」等といって勧誘しています。しかし「1億円老後」なんて8割以上の日本人には夢のまた夢であり、現実から遠すぎる数字です。毎月の基本となる生活費に25年を掛ければ老後の必要金額はどれくらいか計算できます。シングル男女で4,300万から5,000万円、夫婦で7,000万円が目安となります。
国民年金は払い損になるのでは?
老齢基礎年金の受給額も今後は最大で3割くらいはカットされるという試算も出ています。年金不安が高まっている現実はありますが、国民年金は掛け金を「未納」にしない方がよいです。日本がソマリアのような状況にならない限り、国民年金は当面は制度として崩壊しないです。老後の貯蓄を全部一人で準備するのはどれくらい大変か投資の経験が長い人なら分かるはずです。老齢基礎年金は終身であり金融商品として見た時にお得です。中途障害者になっても障害基礎年金が受給できます。
老後に不安のない貯蓄体質になっておこう
年収が高くても老後資金が貯められない人も…
「高い年収を稼ぐ能力」と、「お金を計画的に貯められる能力」は別に考える必要があります。年収200万円〜300万円しかない非正規労働者であっても、貯められる人は老後までにきちんと貯蓄できますし、逆に年収が高くても生活レベルを落とせないと貯蓄が足りなくなることも。「どれくらい貯蓄しなければならないのか?」は人それぞれです。自営業者やフリーランスは「老齢厚生年金や退職金がない」のですから、人生の早い段階から自分で90歳まで生きることを想定して、マネープランを作りましょう。
自家用車を手放すと年金1人分お金が浮く話
生活費を控えている人であれば、老後に必要な貯蓄も少なくて済みます。たとえば「自動車関連費用」ですが、世帯に1台の自家用車があれば、その車に費やす必要は30年間で約3,000万円、40年間で4,200万円という、大学の研究チームの試算が出ています。マイカーを持つよりは、乗りたい時に乗りたいだけタクシーに乗る生活の方が安くつくのです。「支払保険料」も老後の家計を苦しめる元凶のひとつです。高額医療費制度を活用し、無駄な医療・生命・がん保険を徹底的にカットすることもお勧めです。
どれくらいの老後の貯金があれば安心できるのか?は人それぞれ
ライフスタイルによって必要な貯蓄額は変化する
いまの年金制度が維持できれば、夫婦2人で夫(もしくは妻)が会社勤めをしているなら、老後に必要な貯蓄7,000万〜8,000万円の大半は、公的年金と企業退職金で賄えるといわれてきました。公的年金分(2人分の老齢基礎年金と夫の厚生年金)が5,000万円前後受給できたからです。しかし国の年金財政がひっ迫していることは事実なので、今後どれくらい現在の給付額を維持できるか不明であり、最大で受給額が3割カットされる可能性も囁かれています。もらえる退職金の平均金額も毎年下がり続けています。
週20時間以上のパートにも厚生年金加入
「老後の貯蓄が足りない」のなら働き続ける選択肢も。夫も妻もまだ40代50代だというのなら、妻が会社で働けば厚生年金の加入対象になります。2016年10月から週20時間以上のパートタイムなら、雇用者に厚生年金加入が義務づけられましたから、老後の年金受給金額を増やすために働くのがオススメ。「日本の主婦の過半数は全く働いていない」という調査結果もあり、どれだけ節約しても厚生年金付きで給与が得られるほどには節約できないでしょう。週20時間以上働ける会社を見つけて働く方が貯蓄できます。
まとめ
貯蓄のスキルはしばしばダイエットのスキルと引き合いに出されます。老後という遠い未来を見つめて、必要金額をコツコツ貯蓄するのは、ダイエットに必要な意志力や情報収集力と似通ったものもあります。どれくらいの貯蓄が必要か?という点については、インフレリスクもあるし、公的年金がどのくらい減額されうるのか?未知の部分も多く、雑誌のように「〇〇万円ないと老後破産」という煽りを真に受けないようにしたいものです。