携帯電話の料金プランなどと同様に、電気料金にも多種多様な契約種別(料金プラン)があることをご存じでしょうか。ご自身に合った契約種別を選択することで、電気代が今より安くなるかもしれません。今回は一般家庭向けのプランを中心に、様々な契約種別をご紹介します。
契約種別とは
電気料金の契約種別とは、私達が電力会社と契約する時に選ぶ電気料金プランのことです。契約種別ごとに基本料金や電力量の料金単価が異なり、使用する電気の量や時間帯に応じて様々なプランが存在します。また電力自由化により既存の料金体系にとらわれない新しい形のプランも誕生し、電力購入の選択肢がさらに広がりました。
ご家庭で今現在契約しているプランは「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」の「契約種別」の欄で確認することができます。もし契約種別に「従量電灯」と記載されていたら、あなたのご家庭は初めて電気の契約をした時から料金プランの見直しを一度もしていない可能性があります。今利用している契約プランが本当にご自身の生活に合ったプランかどうか、今一度確認してみましょう。
基本の「従量電灯」タイプ
従量電灯プランは、電力会社が提供している一般家庭向けの最も標準的な料金プランで、一般家庭の多くが一番初めにこのプランで契約しています。「従量電灯A」「従量電灯B」などのプランがこれに当たります。毎月定額の基本料金に加え、電力量料金には電力使用量に応じて電力量料金単価が変わる三段階料金制度を採用していることが特徴です。電力会社によっては基本料金の代わりに最低料金を設けている場合もあります。
従量電灯タイプのプランを選択するメリットは、省エネ志向の三段階料金制度により、電気をあまりたくさん使わないご家庭であれば電気料金を安く済ませることができる点にあります。その反面、電気を使えば使うほど1kWhあたりの電力量料金単価が高くなるため、オール電化住宅の方など電気をたくさん使うご家庭では三段階料金制度の恩恵が受けづらく、場合によっては割高に感じることがあるかもしれません。
ライフスタイルに合わせて選ぶ契約種別
使用時間で選ぶ「時間帯別電灯」タイプ
従量電灯プランが24時間同一の料金単価を設定しているのに対し、時間帯別の電灯プランでは早朝や夜間など一部の時間帯が安く設定されています。「朝得プラン」「○○タイム」など、時間帯を強調したプランがこれに当たります。特定の時間帯であれば電力使用量に関わらず一定の割安な料金単価が設定されていることが特徴で、それ以外の時間帯はやや割高な一律もしくは段階制を適用した料金単価に設定されています。
1日の電力使用量が時間帯によって偏っているご家庭の場合、電気をたくさん使う時間帯の料金単価が安いプランに変更することで、従量制部分の電力量料金が安くなる可能性があります。例えば「日中は不在で夜に家事をまとめて行う」というご家庭の場合、夜間の料金単価が安いプランを選択することで、従量電灯プランを利用している時よりも効率的な電力の利用が可能となるでしょう。
使用量で選ぶ「プレミアム」タイプ
オール電化住宅の方や家族の人数が多いご家庭など、電気をたくさん使うご家庭に向けた料金プランがこのプレミアムタイプのプランです。「プレミアムプラン」「従量電灯(たっぷりプラン)」などの名称で提供されています。通常の従量電灯プランが電気を使えば使うほど電力量料金単価が高くなるのに対し、このプランは電気をたくさん使った分だけ電力量料金が従量電灯プランよりお得になるように設定されています。
付加価値で選ぶ「従量電灯」+αタイプ
多くの新電力では、既存の従量電灯プランをベースに、割引要素を追加した従量電灯+αタイプのプランを提供しています。「一律割引型」プランは、電気使用量によらず、一定の割合で電気料金を割引します(例:40A契約で基本料金と電力量料金が一律5%割引)。「割引率変動型」プランは、使うほど割引率が段階的に上がっていくプランです(例:電気使用量300kWh以降は電力量料金が10%割引)。
また新電力・電力会社問わず、電話やガス・インターネットなど様々なサービスと合わせて利用するとお得な「セット割」プランや、2年間など特定の期間の利用を約束することで月々の電力量料金が割引になる「○年契約」プラン、毎月の電気料金の支払いでポイントが貯まるプランなど様々な形の割引プランが登場しています。なお、セット割や2年契約などのプランには解約時に手数料が発生するものもありますのでご注意ください。
まとめ
電力業界では今後も需要者のニーズに応じた多様なプランが展開されていく模様です。価格面だけではなく、ご家庭のライフスタイルに合わせた電気料金プランをしっかりと見極め、豊かでお得な省エネ生活を送っていきましょう。