資産運用のひとつとして位置づけられているのが、株取引です。一昔前までは、証券会社の窓口で注文を行うというのが主流でしたが、現代ではネットでも簡単に株取引ができるようになりました。また、資産運用という面で、株取引はNISAという優遇制度も魅力のひとつです。今回はそんな株取引の基本について解説します。
目次
株で資産運用をする前に!株の基礎をおさらいしよう
株取引とはどういったもの?
会社の形態には、合同会社や株式会社などいくつかありますが、もっともメジャーなのが株式会社です。株式会社では株券というものを発行して、複数から資金を募って会社を設立します。株取引に関わってくるのが、この株式会社が発行する株券。株は転売が可能であるため、出資したものの採算が合わないなどで売りに出たものが取引市場に出て、株取引という形で売り買いがなされています。
株取引といえば多くは現物取引
株取引には大きく分けて現物取引と信用取引の2つがありますが、単に株取引という場合は現物取引のことを指すことが多いです。現物取引とは、資金を使って株を購入する、または持っている株を売却して資金を得ることを指します。そのため、自己資金の分だけしか取引ができないというのが特徴です。
資金も売買もさらに自由になる信用取引
信用取引とは、所持している株や資金を担保に証券会社より資金を借りて株を売買する取引のことを指します。信用取引では資金以上の売買が可能になるため株の損益が顕著に表れやすいです。また、持っていない株を先に売って買い取るという通称「空売り」も信用取引では可能になります。しかし、信用という名前がついている通り、取引にあたっては、実績や証券会社との信用が必要となってきます。
初心者でもはじめやすいミニ株
ミニ株とは、一部の証券会社がサービスとして行っている、株取引の一種です。通常、株の売買は100株などのまとまった単位でないと行えません。しかし、ミニ株の場合、通常単元の10分の1でも購入が可能になります。ミニ株だと数千円で銘柄が購入できるということも起こり得るのです。少額の投資になるため、初心者でも気軽にはじめることができます。
株ならでは!少額取引に人気のNISA
NISAとは
NISAとは株取引をする際の口座のことです。2014年1月から施行され、2016年1月には非課税額が100万円から120万円に増額しました。通常株取引で一定の利益を得た場合、確定申告で所得を申告し、税金を支払わなければなりません。このボーダーラインとなるのが20万円です。しかし、NISAで取引を行った場合は、120万円を超えなければ非課税とみなされ、税金を払う必要がなくなります。
NISAのメリット
NISAのメリットは、年間の利益120万円までなら税金を払わなくても良いということです。当然確定申告の必要もありません。また、5年間は継続して利用できるため、はじめは少額の取引から運用していきたいという方や、長期的な投資で利益を得たいという方に向いています。
NISAのデメリット
NISAのデメリットとなりえるのは損益通算ができないという点です。通常の口座で株取引をして、損が出た場合、その損分は所得税の還付として戻ってきます。しかし、NISAでは損をしても得をしてもほかの取引と通算できないため、NISAで損を出すと、所得税の面で損をしてしまうということも起きてしまうのです。また損失の繰り越しもできないため、短期的な取引には少々不向きだと言えます。
株取引における資産運用と注意点
配当金を目的とした投資
長期的な投資の場合、株自体の価値の値上がりはもちろん、配当金と目的として投資が行われることがあります。配当金とは、株券を発行している企業が、会社であがった利益の一部を株主に配当するお金のことです。当然、その会社の株を多く所持しているほど配当金は高くなります。配当金を目的とした場合、利回りの良い会社を見つけることが運用のポイントです。
短期的な利益を目的とした投資
短期的な利益を目的とした投資はデイトレードなどと呼ばれ、株の売買によって生まれる差額を利益として得ることを目的としています。動きの激しい株を見つけられるか、株取引が瞬時に行えるような状況であるかなど環境面も大切になってきます。
株に付随する株主優待とは
企業が株主に対して謝礼として贈るのが株主優待です。例としては、企業のつくっている製品、商品券、割引券などが挙げられます。株を保有することによって、株主優待が得られるという点も、株保有のメリットです。株主優待を行っているかどうか、何を行っているかは会社により異なりますので、株主優待を目的に投資先を見つけるというのもひとつの方法かもしれません。
株取引におけるリスク
ここまで株取引のメリットをあげてきましたが、ひとつだけ肝に銘じておきたいのが、株取引はリスクを伴うということです。もちろん投資した資金以上に利益をあげられる可能性もありますが、もとの資金よりも少なくなるというリスクも存在します。リスクを頭に入れながら、資金運用の一環として営むのが株取引を続けていく上で大切です。
まとめ
株取引とは、要は会社の資金源である株の一部を保有するまたは、手放すということ。ここにお金が絡み、損益が発生します。資金運用のひとつとして考えるのであれば、リスクを念頭に置いたうえで、自分に合った投資を行うことが大切です。